小動物(犬・猫・うさぎ・フェレット・モルモット・ハムスター・小鳥など)の診療時間など

猫を飼い始めたら

りんちゃん

子猫の場合、犬と違ってペットショップで純血種を購入することより、
いわゆる野良猫を拾ってきて飼い始める方が多いです。
そのため、飼い始める年齢が仔猫の場合もあれば、
ある程度大きくなった成猫を飼い始める方もいます。

ここでは子猫を飼い始めた場合について主にお話しします。

環境

ペットショップで純血種を飼い始めた場合は生後2カ月くらいの子が多いのですが、
拾ってきた猫の場合、まだ目が開く前の生後1週間くらいから飼い始める方もいます。
飼い始める年齢にばらつきがあるのが子猫を飼い始める方の場合です。

生後1カ月たたない仔猫の環境として大切なのは保温です。
まだこのころは体温調節が自分でできません。
外気温に左右されてしまいます。
生後1週間目くらいの場合は30℃前後に保温する必要があります。
生後1カ月過ぎるまで徐々に室温を下げていき、
1カ月齢になると23℃くらいにするといいでしょう。

排尿と排便は生後3週間くらいでしっかりできてきます。
それまでは刺激を与えて排泄を促してやらなければなりません。

犬歯が生えてくる生後3週間くらいまではミルクを与えます。
猫用ミルクを哺乳ビンで人肌に温めて与える必要があります。
3週齢くらいから猫用の固形飼料をふやかしてミルクと混ぜながら与えていきます。

生後2カ月になるとかなりしっかりしてきます。
まだまだ免疫が弱いので温度はエアコンでコントロールし、掃除機をかけたり、
よく拭き掃除をしてほこりを取り除きましょう。

また、小さいものをよく誤飲してしまいます。
猫は高い所にも上っていきます。目がはなれるときには猫用ケージに入れるか、
小さなものに手が届かないようにしましょう。

留守番などのため猫用ケージの設置をお勧めします。
家の中だけで飼っていく子が多いですので、留守の間いたずらをすることがあります。
不慮の事故を起こさないために猫用ケージの使用をお勧めします。

外飼いでは、交通事故、感染症、ケンカの起こる機会が多くなり、寿命が長くありません。
猫を飼い始めたら室内飼いにしましょう。

予防

  • 飼い始めて1週間くらいまでにかかりつけの動物病院を受診しましょう。
  • 拾ってきた仔猫が生後1カ月未満の場合はすぐに動物病院を受診しましょう
  • 糞便検査は必ず行うようにしましょう。
  • 動物病院にカルテを作って、予防の確認や身体検査をおこないましょう。
  • 子猫の体調不良は突如として現れます。健康でも動物病院を受診しましょう。

初診時は予防の話、飼い方のお話、身体検査、ご質問などで1時間くらいかかります。
ご予約後、時間の余裕を持ってご来院ください。

猫の診察のページもご覧ください。


病気の予防と飼いやすさの向上効果のため、繁殖をしない猫は去勢・避妊手術をお勧めします。
当院では、手術費用は去勢・避妊手術セット(総額)でお伝えしています。
年齢、体重等で費用が決まっています。
血液検査、胸部レントゲン検査なしでの手術は行っておりません。

詳しくは

猫の去勢手術の同意書

猫の避妊手術の同意書

をご覧ください。

病気

子猫のころにかかる病気の多いものが3つあります。

  1. 眼やに、くしゃみなどの症状のいわゆる「猫かぜ」
  2. 下痢
  3. 皮膚病 です。

その次には嘔吐、誤飲がつづきます。

ペットショップ、インターネットから購入した純血種ではこの3つはあてはまりません。
純血種の場合販売施設で予防処置等をしっかりしているところが多いからです。
拾い猫の場合、親が野良猫の場合がほとんどですので、
感染症や寄生虫症や皮膚病を親からもらってくることが多いためのこの3つが多い病気になります。

1つめの猫カゼ症状の眼やに、くしゃみ、鼻水は猫ウイルス性鼻気管炎感染症の症状で、
ほとんどの拾い猫は感染しています。
ヘルペスウイルスによるウイルス病で感覚器や呼吸器に主に症状をだします。
免疫がまだ弱い子猫は症状が強く出てしまいます。
インターフェロンや抗生剤や抗ウイルス薬を使用して治療します。
時に深部呼吸器の気管支、肺まで侵される強毒性の場合もあります。
しっかりしたケアーが必要です。

2つめの下痢は回虫症やコクシジウム感染症やジアルジアなどの外敵からのことが多いです。
糞便検査をして外敵をみつけ退治していきます。
ウイルス性の下痢もあります。コロナウイルスによるものや、
その変異株の猫伝染性腹膜炎という怖い病気の場合もまれにあります。
遺伝子検査のPCR検査や血液検査によるウイルス検査などをして調べていきます。
原因はいろいろですが、下痢の場合難治性となることもあります。
しっかりした対策が必要です。

3つめの皮膚病はダニ、ノミ、カビ(真菌)、細菌などの外敵からのものが多いです。
それぞれの外敵にあわせて治療していきます。
皮膚病も仔猫の免疫力の弱さが大きくかかわっています。
しっかりした治療が必要です。

犬と同じように誤飲の事故も多いです。
紐類、ビニール類などが猫は好きですので気をつけないといけません。

当院では、拾い猫の場合は、寄生虫対策としてほとんどの子が虫下し、
ノミ・ダニ予防駆除剤を投与します。
人にも感染する人畜共通感染症ですのでしっかり対策します。

余力の少ない仔猫の病気は早期の治療が大切です。
元気そうでも拾い猫はすぐに動物病院に受診し、予防駆除対策をしてください。

動物保険

動物保険があることはご存知でしょうか。

日本では人の場合、「国民皆保険」として原則国民が健康保険に皆加入しています。
そのため、人が病院にかかった場合一般の方は3割負担の診療料金を窓口でお支払いします。
残りの7割は(掛金、税金)で補われています。
つまり、実費1,000円かかった場合でも、300円お支払いすればいいのです。
残りの700円は(掛金、税金)で補われます。

動物の場合は動物の皆保険はありません。
個々で一般の動物保険に加入していなければ、実費のお支払いになります。
つまり、実費1,000円かかった場合は1,000円のお支払いが必要です。
動物病院は税金から補助を受けていません。自由診療でおこなっています。

また、動物病院で扱っている機器類は人のものと変わらず高価なもので、
薬も人薬より動物薬は高いです。
そのため実費の治療費としても人の医療と同等にかかってきます。

そのため、動物診療は高いというイメージになっています。

しかし、動物保険があることはご存知でしょうか。

民間で多くの動物保険が出ています。
補償も5割から7割などいろいろなものがでています。
人の健康保険と同じように掛金がありますが、それほど高額ではありません。

最近ではペットショップで購入する動物には動物保険に加入する方が増えています。
また、1カ月補償をつけて販売するペットショップも増えています。
よくある保証で
猫を購入後1カ月は100%医療保障(1日の支払い限度額があります)というものがあります。
購入前に加入するかの選択となっていることが多いのですが、
このような保険には入っておくことをお勧めします。
というのも、購入後1カ月というのは、突発的な病気が多いからです。

動物医療にまだ慣れない時に動物医療費を払うことで困っている飼い主様を多く見ています。
そのとき、動物保険に入っていることでしっかりした動物医療を受けることができます。
購入後の健康不良で問題となることがこのような動物保険により少なくなりました。

動物購入後の動物の健康不良はよく起こります。
購入した時から使えるような動物保険に加入することを強くお勧めいたします。

拾い猫の場合個人で動物保険に入ることになると思います。
病気になってからではしっかりした補償は得られないので、
健康な時には忘れがちな動物保険を考えてみてはいかがでしょうか。

みなさまの良きアドバイザーとなること

私は小動物医療一筋にやってきています。

学生の時は猫の研究をしていました。
学生のころから猫を飼っていました。
卒業論文のテーマは猫の急性相蛋白SAAの臨床応用でした。
最近になってこのSAA(炎症マーカー)も測定、臨床応用されてきました。

下関市ではペットショップの立ち上げにかかわってきました。
野良猫のボランティア団体の猫の治療、去勢、避妊不妊手術を行ってきました。
横浜市では日本最大級のペットショップの専属獣医師として
ペットショップの動物の管理をおこなってきました。

それとあわせて小動物診療を続けています。
動物業界の隅から隅までみてきました。
どのような問題が起き、どのようなことが起こりうるのかを経験してきています。

お困りのことがあるときは何なりとご相談ください。
新しい猫と暮らし始めたときはぜひ私に触らせて診させてください。

みなさまの良きアドバイザーとなることができると思います。


東武池上線石川台駅徒歩5分、石川台希望ヶ丘商店街内東京都大田区東雪谷3-31-3

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