小動物(犬・猫・うさぎ・フェレット・モルモット・ハムスター・小鳥など)の診療時間など

健康を損なう微小な外敵

健康を損なう微小な外敵とは、ウイルス、細菌、カビ(真菌)、原虫、寄生虫等です。
これらは非常に小さいため、寄生虫以外肉眼では確認できません。
肉眼で見えないため防御するのは難しいです。

たとえば、手洗い、うがいなどは洗浄することで体への侵入を防御します。
しかし、動物の場合自らそのような防御をしませんので、
暴露される(侵入される)機会が多くなります。

これらの外敵が体に侵入し、健康を損なうことが起こった場合、
動物病院ではそれらを発見し、治療(退治)にすすみます。
この場合、決して外敵が手を挙げて知らせてくれることがないため、
病気の症状から疑わしい外敵を探していきます。


ウイルスは最小の外敵で肉眼ではもちろん、光学顕微鏡では発見できません。
発見には血液や糞便などからウイルスを間接的に見つけていきます。
抗体(体のウイルスに対する武器のようなもの)の上昇や、
抗原(ウイルスそのもの)の存在を見つける検査をします。

顕微鏡


細菌は肉眼ではみえませんが、光学顕微鏡で発見できます。

カビ(真菌)は多く集まると特徴的なコロニーをつくります。
そのため肉眼でわかる場合もありますが、多くは光学顕微鏡で発見していきます。

この2つの外敵はウイルスと違って、
健康な体に常在するものなのか、病気をおこしているものなのかはわからない場合もあるので、
そのような場合は培養検査をして発見していくこともあります。

細菌

細菌(×400)

マラセチア(真菌)

マラセチア(真菌)(×400)


原虫は肉眼では見えませんが、光学顕微鏡で発見できます。

コクシジウム(オーシスト)

コクシジウム(原虫)(×100)


寄生虫の多くは肉眼で見えます。
しかし、寄生虫本体を見つけ出すことより、
糞便などから光学顕微鏡で寄生虫の卵を発見することが多いです。

ツメダニ(うさぎ)

ツメダニ(×40)

回虫卵

回虫卵(×400)


このように、ウイルス、細菌、カビ(真菌)、原虫、寄生虫等に暴露される(侵入される)と、発見には多くの手間がかかります。

そのため、動物種ごと(特に犬、猫)にこのような外敵に対しての予防処置が確立されています。
ワクチンやフィラリア予防や駆虫をおこなっているとそれらに侵入されることが少なくなり、
健康を損なう機会が減少します。

微小な外敵のウイルス、細菌、カビ(真菌)、原虫、寄生虫等に対抗するためには、
予防処置の徹底と、衛生的な生活環境を保つことが大切で、
その結果、健康を維持することにつながります。

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