予防2(犬編)混合ワクチン
前回のテーマでお伝えした狂犬病ワクチンは注射の予防でしたが、
犬の注射の予防にはもう一つ、混合ワクチンがあります。
今回は、混合ワクチンについてお伝えします
※ワクチンというものは、無毒化(不活化)した病原体(抗原)を体内へ接種(注射)して、
体内で抗体(病原体に対する兵隊さん)を事前に作らせ、
万が一体内へ病原体が侵入したときの防御を備えておくものです。
1年1回のワクチン接種が勧められています。
混合ワクチンは犬同士で感染してしまう病気に対しての予防注射です。
混合ワクチンにはいくつかの病気に対するものが含まれています。
2種、5種、6種、8種ワクチンと、含まれている病気予防の数によっていくつかあります。
含まれている病気の種類は、
ウイルスは、
- 犬ジステンパー
- 犬パルボウイルス
- 犬アデノウイルス2型感染症
- 犬伝染性肝炎
- 犬パラインフルエンザ
- 犬コロナウイルス感染症
細菌は、
- 犬レプトスピラ病
があります。
このなかでも犬ジステンパー、犬パルボウイルスは死亡率の高い病気で、
たいていの混合ワクチンには含まれています。
犬ジステンパーは神経症状を主な症状として、
犬パルボウイルスは激しい血便と嘔吐を主な症状として、
犬アデノウイルス2型感染症、犬パラインフルエンザは、
いわゆる「ケンネルコフ」と呼ばれる咳症状を主な症状として、
犬伝染性肝炎は激しい肝炎を起こし、黄疸を主な症状として、
犬コロナウイルス感染症は下痢や嘔吐を主な症状として、
犬レプトスピラ病は腎臓や肝臓がおかされ、症状が現れます。
それぞれの病気にはこの主な症状だけでない、いろいろな症状を引き起こします。
どの混合ワクチンを選択したらいいかは、地域、年齢時期によって違うため、
獣医師の判断や飼い主様の要望によって違ってきます。
私の動物病院では、地域性や混合ワクチンの影響を考え原則、
1歳未満の子犬には5種ワクチン、1才以上の成犬には6種ワクチンを接種しています。
最終判断は、接種前の健診にて決定しています。
私は、ワクチンにはいっている犬ジステンパー、犬パルボウイルス、犬アデノウイルス2型感染症、
犬パラインフルエンザ、犬伝染性肝炎、犬コロナウイルス感染症、犬レプトスピラ病
すべてのものについて治療経験がありますが、どの病気も感染すると大変です。
命を落とすものもあります。
石川台どうぶつ病院・ペットホテルでは東京都動物の愛護及び管理に関する条例に順守するため、
ペットホテルのお預かり入院には、混合ワクチンを1年以内に受けていることを条件にしています。
病院内での感染の蔓延を防ぐためでもあります。
急なペットホテルのお預かり、入院、愛犬のために、1年1回の混合ワクチンの接種が大切です。
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